2006年07月15日

切るや切らざるや

将棋の世界には“詰むや詰まざるや”という名本があるそうです。
お産のときも“切るや切らざるや”で迷うことがしばしばあります。
とくにお産が初めての方で、少し時間が長くかかった場合、妊婦さんの方から“もう、切って出してください”と懇願された場合、“切るや切らざるや”で悩んでしまうことがしばしばあります。

安産会のときにお話するのですが、人間はみんな今まで体験したことがないことに関しては、恐怖を感じるものです。また、それが、どれくらい続くか解らなければ、なおさら痛みは増強し、“この痛みとどれくらいつきあって(たえて)いかなければならないのか?”と不安は増すばかり・・・。
私たち医療者は、定期的に診察をするので、分娩が進んでいれば、“もう少しがんばりましょう”というのですが、その“もう少し”がどれくらいか、妊婦さんには伝わりにくいのです。

帝王切開自体は“悪い”分娩方法ではないので、それも一方法であると思いますが、その時の陣痛の痛みは回避できても、帝王切開術の後遺症も重篤になることがあり、それも考慮しなければなりません。やはり、安易に帝王切開術をすべきではないことは、産婦人科に携わっているものの、共通認識であると思います。ただ、選択の余地は妊婦さんにあるわけで、絶対的に帝王切開をしないといけない理由(例えば、胎児心拍異常とか、分娩停止とか・・)でない以上、“もう少しがんばりましょう”と妊婦さんには、“鬼”と思われる言葉の連発になってしまうんですよね〜。

散々粘った挙句、結局帝王切開・・ということも少なくなく、結果的にはお産がおわってみないと、なにがよかったのかわからないということもしばしば・・。
昨日は、あと1時間がんばって、進まなければ帝王切開に・・という私の提案に賛同していただき、結局めでたく下から分娩できましたが、妊婦さんにとって、それが本当によかったのかどうか・・(結果はよかったのかもしれませんが・・)。

そういった、苦悩にいつも戦っている日々です。。
なにはともあれ、お母さん、子供さんが元気で退院できることが、一番の目標でがんばります。
posted by 池田産科−YOU−婦人科医院 at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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