2019年11月24日

第1回長崎県周産期フォーラム

今日は、勉強に行ってきました。

上記の会です。

久しぶりの周産期の勉強会で、思うところを発言させていただきました。

たぶん、会場の人からは、「この医者しつこい、何言っているのかわからない。」と思われたことでしょう。

すみません。性分なもんで・・。

ところで、今日のメインは、胎児心拍モニターの話でした。

ここからは、ちょっと難しい話で、個人的意見なので、興味がある方のみ、お読みください。

最後の特別公演の先生にご質問させていただいたのですが・・

胎児心拍モニターって、現状では、胎児の状態を把握するのに、一番重要なアイテムである・・ことは、私も否定しないのですが・・。

このモニターの波形って、少なくとも私が医者になって30年間、いやもっと前、50年くらい前から、全く変わっていない。

何がかわったか・・というと、解釈の仕方だけ・・なんですよね。

超音波は、ドプラがでて、経腟超音波がでて、最近は3D、4Dの時代なり、(まあその診断価値は別としても)進化してきています。
これは、患者さんのニーズによるものが大きいかもしれません。

でも胎児心拍モニターは、全くと言っていいほど、変わっていないんですよね。

この数十年間、たぶん症例としては、数十万、いや数百万のモニターがとられ、解析されていると思いますが、幾分かの胎児予後の改善に寄与していると思いますが、フォールスポジティブが多く(要は、異常と判断されていても、胎児が正常であるということ、それはそれいいのですが、帝王切開するケースは明らかに増えます)、劇的な改善はないように思います(私の勉強不足もあると思います。)

数十年でして、改善がこれくらいしか見られないのであれば、このいろいろなことがわかる時代、胎児の状態がもっと迅速に、正確にわかるシステムが開発されてもよさそうに思いますが・・。

妊娠って、わからないことがいっぱいあって・・なぜ、いつ陣痛がおこるか?つわりは何でおこるか?胎児が元気に産まれてくるのか?などなど・・。でも、これらがわかると、周産期は目覚ましく、発展するのではないかと思うのです。

私的には、このモニターの解析をこれから先50年したところで、これ以上の結果は得られないように思います。

もし新生児の脳にダメージがのこるのであれば、その原因としては、脳の虚血、酸素不足、あるいは、感染などが考えられます。

新生児の異常が、酸素不足であれば、それを簡単に測定できるようなアイテムを開発すればいい・・と思います。ただ、この質問をしたら、ご講演された先生は、酸素分圧の測定は、している方がいて、帝切の率はあがるが、新生児予後は改善しないそうです。

で、あれば、血流の問題?かもしれません。できれば、血流と酸素分圧を両方測れればいいのか?とも思います。

実際、胎児の状態が悪いとき、母体に酸素を投与することがあり(これの善悪については、賛否あると思いますが・・)、また、出生後のアシドーシスを見るのに、臍帯血の血液ガスを測定します。これをするということは、私的には、酸素分圧を測定することは、決して悪くないと思えるのですが・・。

そもそも、胎児の心拍数のみで、人間の状態を把握しようとするのに、無理を感じます。(いろいろな理論はあるとおもいますが・・)
大人では、心拍のみで全身状態を把握しようとはしないですよね。
それからしても、胎児心拍モニターによる、胎児の評価には限界を感じています。

1980年代、母体死亡率は10万人に10人くらいでしたが、近年その率は10万人に3人まで減少しています。
これって、すごいことですが、こと周産期に関しては、それでは許されず、周産期に携わっているものは0を目指しています。

新生児の予後の改善も同じで、胎児の予後を可及的、かつ速やかに、正確に把握し、その良好な予後を可及的に0に近づけたい・・それが周産期に携わる者の願いでもあります。

とすれば、胎児心拍モニターのみならず、胎児の評価を、もっと正確に把握できるアイテムを開発するべきです。もしくは、モニターと合わせて、より正確な評価をできる方法を開発するべきです。

10数年まえから、私がこの発言をすると、決まって、「現状では、モニター以上のものはない」という答が返ってきて、がっかりして帰ってくるのですが、行って帰ってくるのに2-3年遠くの惑星のものがわかる時代、すぐそこにある、胎児の状態がわからないはずがない・・と思っています。
私自身、大学を離れ17年、すでに研究をする立場にはないのですが、今若手でがんばっておられる、新進気鋭の活力ある産婦人科の先生方には、どうか、あと数年先には、モニターよりも(と併用してもいいのですが)もっと精度の高い、胎児well-beingの評価ができるアイテムを開発してほしいものです。

長くなりましたが、今日の講演の雑感でした。




posted by 池田産科−YOU−婦人科医院 at 15:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

追悼記

今日、私の同級生が逝去されました。

同級生ですから、55歳の若さでした。

私のゴルフの師匠でもあります。

今使用しているクラブは、彼が私に少しでもスコアが良くなるようにと、無償で譲ってくれたものです。

また、ゴルフバッグについているタグは、彼が、ゴルフをする同級生全員に配ってくれたものです。

高校生の時は、高校初の卒業延期になった、というのが口癖で、決してお世辞にも素行がよかったとは言えないのですが、生前は、立派な透析医として、また病院の院長として、その重責を背負い、まじめで、患者さんやスタッフにも信頼の厚い、名医だったと思っています。

同級生ともう一度ゴルフをしたい・・彼の願いでした。

誠に残念、無念でなりません。

実はつい先日、私の同期入局の産婦人科の先生も急逝されました。

彼も、人望が厚く、地域に貢献されていた、名医でした。

この二人の逝去は、私にとっては、この上ない悲しみであり、無念です。

この年になったから…というのはありますが、この2人の声が、笑顔が、私がこの世にいる限り、聞けない、みれないと思うと、さびしい限りです。

別れはさびしくはありますが、彼らの人柄の記憶は、私の心の中に、いつまでも残り続けると思います。

二人の無念は、いかばかりかと思いますが、どうぞ、今まで忙しく過ごしてきた人生、これで、コールされることもなく、心安らかに、お休みください。

心よりご冥福をお祈りします。

合掌
posted by 池田産科−YOU−婦人科医院 at 15:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする